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誤解されがちなイスラーム、ラマダーン(断食の月)編

今回のお話はアラビアのエッセンスであるイスラームの断食の月についてです。

私たちがMURADOを始めて15年近くなりますが、やはりまだまだ日本ではイスラームが誤解されているなって感じます。

イスラームは日本における生活そのもの!日本人の昼休みが12時のように、みんながラジオ体操が出来るように、そして正月に神社の長蛇の列に並ぶように!まさに伝統と生活そのものなんです。そこに文章化された規範があるかどうか、まずはその差くらいの認識からイスラームを見ると、「なるほど」と感じることでしょう。

今回そんな規範の中でも有名な「ラマダーン」断食の月のお話しです。
現在イスラームでは丁度断食の月なんでね。

何故断食なのか?しかもひと月も?

日本でもファスティング(断食)が最近流行していますよね。イスラームではこれが毎年の行事だと考えれば割と簡単に理解できるのではないでしょうか?

しかし何故となると大分基礎的な考え方は日本人とは違います。
日本では、健康やダイエットなど自身の向上のために自分で決めて行うことでしょう。
イスラームでは「神が定めたから」信徒であるムスリムたちは行います。そう自分ではなく「神」なんです。

ここが日本人には腑に落ちない、そもそも神が命じるのか!となりそうですよね。
けどイスラームでは神は命じます。「私の為に断食をしなさい」と!不思議な話ですよね。

イスラームでは神がこの世をお創りになり、私たち人間もお創りになった、よって神が定めた法律を守るのは自然な事。しかも守れば救済まである!まさにこれ!
日本でも国が施行した法律を守る、破れば罰則がある、だから守る、こうなりますよね。基本的には同じことなんです。

なので断食は神の命であり、全てのこと(食事とか)に感謝をすることであり、貧しき者と気持ちを分かち合う時であり、施しの時であり、家族との絆を深める時でもある大切な行事なんです。
現地ではどちらかというとお祭りに近い感じで、とても楽しいひと月なんです。
みんなで大変な時間を分かち合い、日没後の食事の時間に絆や繋がりを深め合う、これがラマダーンです。

では、実際のラマダーンとは?

さて、今までお話ししたことは事実ですが、実際のアラブ人はどうしているのか、気になりませんか?
実はこれもまちまちなんです。

しっかり断食をする人が大多数ですが、やっていない人もいますし、なんとなくの人もいますし、肝心の日中はずっと寝てて、断食終りに起きてきてご飯を食べるだけの人、夜通し食べててまるでイスラームの教えなんてなんのその、そんな人もいます。
確かに神の命でイスラームの法律であることは間違いありませんが、実践するのはあくまで自分自身、これがイスラームです。
しかも信徒を監視する教団がないので破門やら村八分やらは基本的にはないです。

ただ、いっても社会的行事なんで人前で断食中に食べたり、水を飲んだりはもちろん憚れます。やはり実践している人をリスペクトすることは全体の共通認識なんで、アラブに行ったら、「私は日本人だから関係ない」は不謹慎です。「郷に入っては郷に従う」これがとても大切ですね。

ラマダーンの一日

では、アラブ人は断食中はどう過ごすのでしょうか?
勿論きちんと断食をする人を取り上げます。早朝日の出より前に起きて礼拝をし、日の出前に簡単に軽食を取ります。
きちんと断食中とは仕事に行ききちんと働く、本来はこれが大切なんですが、社会的に時短傾向になるのがアラブの断食の月。はっきり言って日本人からしたら仕事になっていないが実情です。だいたい2時~3時には仕事が終わり、帰宅ラッシュ。渋滞も酷く、都会はみんなイライラ、交通事故も増え、街角でケンカもよく見かけます。言っても人間ですかね…、聖人なんて全くいません、とても世俗的な宗教であるのがイスラームかもしれないですね。
男性は仕事終わりに夕食の買い出し。日没には夕食が出来上がっていないといけないので、早く買って早く帰る!これが鉄則です。
女性は家族みんなで夕食の準備、味見が出来ないのが難しいところ。断食の月は毎日しっかりした夕食を用意するのが習わし、料理するほうは大変なんですよね!

日没のアダーン(礼拝の呼び声)を聞いてみんなでお祈りをして、まずは牛乳とナツメヤシでミネラル補給と空腹を和らげて、みんなで食卓を囲って「ビスミンラー」いただきます!となります。
サラダを食べて家庭料理を食べて、果物を食べて、その後アラビックコーヒーと断食の月に食べるスイーツ、まさにフルコースを楽しみます!
その後はラマダーン番組を見るのがみんなの楽しみ!週末は親戚と集まっての夕食だったりと家族の繋がりを大切にするひと月なんです。
夜になると商店が開いて若者は夜の街に繰り出します。みんなで水たばこを吸いに行ったり、トランプに興じたり、ショッピングモールで洋服を買ったり、夜がとても楽しいのがラマダーンの醍醐味!

このひと月は老いも病めるも若きも幼きも楽しく夜更かし!これがラマダーンです。

ラマダーンのスイーツ

さて、最後にちょこっとラマダーンのスイーツをご紹介しましょう。

このひと月にしか食べないお菓子があります。カターエフという半月上のどら焼きみたいなお菓子です。
そこら中のお店でカターエフの皮製造マシーンが店から出てきて、皮を焼きまくります。パンケーキのような丸形の生地を買ってきて、家庭でクルミとキシュタ(白チーズ)を杏にして生地を半分に折って半月状に包んだものを油で揚げてシロップを掛けて、砂糖やシナモンをまぶしたお菓子です。

外身はパリパリで中身のチーズがとろけて美味しいですがとても甘いので日本人はきっと沢山食べれないでしょうね。
しかし、これがないとラマダーン感が出ないんですよね。

文献によると今から1000年以上前からあったとされるお菓子です。しかもまるで雛あられのように断食の月が終わるとサァーッと無くなっていく断食のお菓子なんです。なんとも伝統的と言うか不思議なお菓子なんですよね!

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